TIG溶接で黒くなる原因と改善策

2022/03/14 コラム

溶接作業において、施工部分が黒くなってしまうことはありませんか?
TIG溶接では他の溶接と同様に、溶接部分が黒くなってしまう事があります。
今回は、TIG溶接で黒くなる原因と改善策についてお話しさせていただきます。

▼黒くなる原因
TIG溶接において、母材の溶接跡が黒くなる原因は「酸化」です。
溶接部分をアルゴンガスなど不活性ガスで大気からシャットアウトできていないと、繋ぎ目の溶接ビードが酸化して黒くなります。

▼改善策
黒くならないようにする対策として「ガスの量」「タングステンの出し方」「流量」「トーチ」などに注意します。

■ガスの量
不活性ガスによって大気とシャットアウトできていれば、黒くなることはありません。
不活性ガスの適切な量を確認して使用することで、酸化を防ぐことは可能です。

■タングステンの出し方
タングステンの突き出しを出し過ぎているのも、黒くなってしまう原因です。
5mm程度に抑えるのがポイントですが、10mmになるだけでかなり仕上がりに違いが出てしまいます。

■流量
風のある場所など溶接環境が不安定でなければ、流量はの設定は基本的なもので良いでしょう。
流量を上げすぎてしまうと、シールドガスに乱流が起こって空気を吸い込む可能性があります。
むやみに流量を上げないのがコツですが、環境によっては上げる必要もあります。
母材の溶け方を見ながら、調節していくのがコツです。

■トーチ
トーチの角度や距離感も大切でトーチを寝かし過ぎや、離し過ぎには注しましょう。
状況や材質によっても異なりますので、経験を積んでいく必要があります。

TIG溶接で黒くなってしまう原因はさまざまです。
経験により分かる事もありますが理由を知った上で経験を積むことで、TIG溶接のレベルアップに繋がるでしょう。