チタン溶接の注意点について

2023/08/08 コラム

チタンは、さまざな場面で溶接の要望がある金属です。
医療機器やスポーツ用品・アクセサリーなど、いろいろなものに使われています。
今回は、チタン溶接において職人が注意しているポイントを説明していきますね。

▼チタン溶接の注意点
■コンタミネーション
コンタミネーションとは、チタンが酸化してしまうことです。
チタンはさまざまなものと反応しやすく、空気中にある炭素や窒素・水分・塗料の粉なども影響します。
酸化反応が起こると溶接部分が劣化してしまい、割れの原因です。
そのため溶接の際は、コンタミネーションを避けなければいけません。

■温度
チタンは高温になると激しく反応するため、温度が高い間は空気に触れないようにする必要があります。
そのため、溶接後は200℃以下になるまで安心できません。

■他の金属と溶接しない
チタンを他の金属と溶接しようとすると「金属間化合物」と呼ばれる、脆い物質が形成されます。
そのため溶接部も脆くなる可能性が高くなるので、他の金属との溶接は避ける必要があるのです。
ただし、爆発圧接や摩擦圧接であれば接合できる場合もあります。

▼最適な対策はシールド
チタン溶接を行う職人はアフターシールドやバックシールドにより、コンタミネーションの対策を行っています。
少し手間はかかりますが、きちんとシールドができていれば酸化は起こらずチタンの割れを回避できるのです。

▼まとめ
チタンは少し加工難易度の高い金属ですが、コンタミネーションや他の金属との溶接に注意すれば問題ありません。
加工する際は、アフターシールドやバックシールドなどでしっかりと酸化対策を行うことをおすすめします。
弊社では、熟練の職人が常に適切な方法で加工を行っております。
チタンは強度や安全性などのメリットが多い金属なので、溶接加工が必要な際はぜひご連絡ください。